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    UO短編 / Oyasai Island

    • 2018.03.25 Sunday
    • 00:00

     

     

    一昨日の夜に打ち上げパーティが行われた、

    『ブリテイン文芸大会 [Fourth] 〜アンさまを離さないで〜 / in Hokuto』

    に投稿した拙作(小説)の、Web版という形になります。(その2)

     

    UOの二次創作ですけど、知らない方でも、乗りと勢いで楽しんで頂けたらなと思います。

     

    また、北斗での展示は4月いっぱいくらいまで続くそうです。

    のでブリタニアンで未読な方は、他の方の作品もぜひどうぞ。

    アンさまのブログはこちらですよ → ブリ首長にまたなったAnneの日記

     

     

     ◇

     

     

    『 Oyasai Island 』

     

    著者名 lighthouse vege

     

     

     ◇

     

     

     その昔、トリンシックのバリア島の先端に、turnip(ターニップ)という自分は野菜なのだと主張する、ちょっと頭のおかしい女が住んでおりました。
     turnipの仕事は灯台守です。それは闇夜を行く船乗り達が自分の位置を知るための、例えばそれこそバリア島に座礁したくなければ、とても大切な仕事です。
     そのため漁師や海運の商人たちには不安もあり、よかった、今日もあの頭のおかしい嬢ちゃん、ちゃんと灯りを点けている……と毎回冷や汗をかくのでした。
     ちなみに彼女の住む灯台が直に生えたお家には、何人かの同居人も居ましたが、残念ながら自称菌糸類にリアル巨大なまこなど、彼女以上の曲者揃い。
     つまりは最後の良心でしたので、下手に文句も言えません。むしろ誰もが、あの嬢ちゃん以外になったら急いで市政に訴えよう、と口を揃えておりました。

     

     

     さて、そんな危うい均衡の元でにょっきりと空を目指していた灯台ですけれど、実はturnipは新人でした。そのころ勤めていた秘書の仕事を辞めたばかりの。
     それ以前にはcelery(セロリ)という、十分に一線級といえる戦闘能力を持ちながら、恐ろしく影の薄い戦士系の女の子が灯台守でした。忘れらています。
     celeryはかつての栄華を――自称菌糸類、近接ガーゴイルeryngii(エリンギ)に――持って行かれたまま、ついには余生的なお仕事までなくしてしまったのです。
     celeryは言います。あたし旅に出ます、と。それを聞いた生産系プチ少女、tomato(トマト)が答えます。晩ご飯を食べてからにしなさい、と。
     その夜、美味しい野菜のスープをすすると、日々の不満がどこかに溶けていき、明日も雑用とか日雇いのモンバット狩りでいいかなと、思い直すのでした。

     

     

     和やかな日々でした。turnipは頭がおかしいですがそれはみんな同じなので、誰も気にしません。彼女が灯台を管理すれば社会的な立場が保証されるのですし。
     それに時々、eryngiiが思い出したようにダンジョンに潜っては、たくさんの財宝を持ち帰ってきます。大抵はよく分からないアイテムの購入資金になりますが。
     そんな生活がずっと続くと、みんな信じていました。しかしある日のこと、しばらく外に出ていたリアル巨大なまこ、onion(オニオン)が帰ってきた時……。
     onionは言います。この島をタマチャン島に改名しよう! と。onionはスカラブレイで首長として滑っていたはずなのですが、リコールだなと、みんな思いました。
     別にタマチャン島でもカブチャン島でもどうでもいいと、turnipは気にせず灯台の様子を見に行きます。もちろん、どちらかといえばカブチャン島押しで。

     

     

     翌日、バリア島(現)の他の住人たち、おもに畜産を営む皆さんが押しかけてきます。お前らの家で一番やばい奴がロットワームの大群を連れてきた! と。
     ロットワームとは本来、アンダーワールドに生息する小さいなまこです。やっぱりonionと仲がよく、タマチャン島改名祝いにやってきたようでした。
     島の中は大騒ぎ。ロットワームが家畜の餌を食べたり、家畜の餌になったり、友達になったり恋仲になったりしていました。だいたい気のいい奴らですので。
     これをサクヤさん(トリンシックの偉い人)から報告されたフォックスさん(トリンシックのとても偉い人)が呟きました。あいつらもうやだ、と。
     急遽eryngiiとceleryによる捕獲舞台が編成され、turnipは苦情を届けたサクヤさんにカブチャン島を提案し、tomatoはご飯の支度をします。なまこ料理です。

     

     

     ――こうして、現トリンシックのニッチ産業の極地と名高い、ロットワーム養殖業が始まったわけです。この滋養豊かな食材は港で大変な人気となりました。
     onionは責任を取ってロットワーム達を海に返したのですが、よく考えてみると陸上生物だったのでまた戻ってきて、そのまま住み着いたのです。
     今日も漁師たちや、海運の商人たちは言います。あの灯台にだけは近付くな、夜に灯りが点いていれば、それだけで大勝利だ。自分のサン値は自分で守れ、と。
     バリア島(地域的別名あり)の灯台に住む、自称野菜が一番まともな変人奇人たちは、今日も頭がおかしいなりに元気に暮らしております。
     turnipは言います。私はある日、アンさんが引っこ抜いた蕪がエーテルの影響で人の姿になったんですよ、と。だから私は野菜なのです、と。

     

     

     はてさて、ともあれ。今日は第一回なまこフェスティバルの開催日ですね。近々行われるバレンタインという行事にちなんで、なまこチョコも販売されますよ。
     ま、もしかしたらこの本が読まれる時には、どっちも終わった後かもしれませんけど。もちろん、チョコを貰ったら甘いお菓子を返しましょう!
     執筆、トリンシック灯台の野菜ではない住人、extra(エクストラ)。共著、菌糸類の黒幕、hypha(ハイファ)。……あなたの安眠のお供として。
     これはなまこフェス宣伝用パンフレットの写しです。

     

     

     

     

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