Cool Trinsic 【出雲トリンシック夏の益荒男祭り】 〜 葱の記録 〜 uo

  • 2018.08.06 Monday
  • 23:18

 

 

 

 ――これは出雲。真夏の夜にトリンシックの銀行前へと集まった、“なんかやばい奴ら”の旅の記録である。要点として、彼ら彼女らは限りなく全裸であった。居合わせたタウンクライヤーは言葉を失い、駆けつけたガードは市長に買収された。そのあまりにも歌舞いた集いの名は……『Cool Trinsic 【出雲トリンシック夏の益荒男祭り】』という!

 

 

 

 

 この日、市長アーサーは言った。「夏が熱ければ服を脱げ! 裸で駆けろ! えっなんで下着は固定なんだ!?」と。ゆえに今ここに、まだ己を知らぬすべての益荒男たちと、そして益荒女たちに捧ぐため公開する。もちろん、参加者のみなも読んでくれると嬉しい! よろしく!

 


 

 

 唐突に開かれた赤いゲート。一目散に飛び込んでいく参加者たち。無論、赤いゲートは飛び込むためのものである。では青いゲートは? 当然、飛び込むためのものである。何かを確認する必要性など、まったく無かったのだ。
 

 

 

 

 出た先はダンジョン・アイスだった。とても涼しい、そして暗い。あまりの心地よさに水を得た魚のようになって駆け出すが、さっそく曲がり角に待ち構えるのは氷の巨漢。出会い頭、松明に頼った半裸どもに殴り掛かる。
 

 

 

 

 しかし必然、怒涛となった益荒男どもを止めるには、ただの肉達磨では役者が足りない。あるものはひき肉、あるものはミンチ、あるものはハンバーグとなって、この先へ進むための糧となる。

 

 

 

 

 やがてダンジョンを抜け、ロストランドの雪原にまでたどり着く。通称は北極だったか、避暑には最適な気候だろう。ここまでも多くのモンスターを屠り、その屍を着飾った益荒男たちに、一服の休憩と幾つかのアイテムが与えられた。これは、この先の地獄を戦う為の市長からのエールであった。
 

 

 

 

 せっかくフェルッカなので、ボスを沸かせる。居並ぶ面々の瞳には、先頭に立つ割に何故か着込んだアーサー市長のケレン味溢れる姿より、(悪魔か?)(セミちゃん希望)(ここの湧きで一番激しい奴を頼む)という思考が垣間見えた。

 

 

 

 

 だが、残念ながら! 悪魔たちは逃げ去った! ……しかしご覧あれ、納涼にちょうど良さそうなアンデッドの群れである! これはこれでと、益荒男どもは躍りかかる! ゴーストが怯える笑顔であった!
 

 

 

 

 やがて溢れ出るお得用の肝試し。この状態は地域によってはニ湧きとも言う。北極の快適な気候に慣れてきた皮膚に、突如豪快な火炎魔法が撃ち付けられた。この祭りの支援者、蘇生班のみなさんの援護のもと、益荒男たちは死に物狂いで死んでいく。

 

 

 

 

 弾幕と肉弾の雨の中、ふいに誰かが、ポツリと呟いた。「ごうらんが、補給所が前に出過ぎでは」それを聞いた誰かが叫んだ。「よく聞こえねー! ああ、祭壇の横でも良かったかもなー!」と、まったくその通りである。

 

 

 

 

 遠くから、近くから、嘲り嗤う声がする。益荒男たちの亡骸のそば、再び息を吹き返す前、不気味な老人が屍の皮を剥ぎ、己の身に付けていく。つまりそれは益荒男の同類であった。ならば負けてはおれぬとより苛烈に、眼前の敵に立ち向かう。
 

 

 

 

 乱痴気騒ぎを聞きつけて、先生たちが怒鳴り込んできた。苔むした腐った身体、緑の老境、誰もが一度は教えを乞うた懐かしの彼である。先生は言う「わしも混ぜんか、ほれ、リーサル毒じゃー!」益荒男たちもこれには、たじたじだ。

 

 

 

 

 ……ついに日付が変わろうかという頃、祭壇に現れた美しきネクロマンサー・ネイラ。ボスである。しかし益荒男、急に勢いを失う。そうだ彼女は服を着た女性なのだ。大勢で飛びかかるのでは、あまりにマナーがなっていない。だが、ネイラはすぐに着ていたシュラウドを脱ぎ捨て、冷たく囁いた。「にんげんどもー。その貧相なボディで余に勝てるとでもー?」

 

 

 

 

 ネイラは強かった。あまりにも強かった。飛びかかる無数の益荒男たちを一息の魔法で吹き飛ばし、それをくぐり抜けた者には剣を振るう。一歩でもたじろいだその背後には、新たに生成されたアンデッドたちが食らいつく。まさに雪原の女王であった。益荒男は一人、また一人と倒れていく。
 

 

 

 

 一つの疑問。益荒男たちとネイラの違いはなんだろう。百人の益荒男と一人のネイラは拮抗する。否いな、彼女がそれでも上回る。しかし後援の差異、やがて後ろに控える味方が分けた。生きた蘇生班と死んだアンデッド。この相反する決定的な違いが、やがては勝敗を分けたのだ。

 

 

 

 

 ネイラは、あまりにも楽しげな高笑いと共に、はらわたから無限の金貨を撒いて倒れる。それは益荒男たちの顔面を強かに打ち付けたため、彼女の最期の表情を見た者は、一人として居ない。その邪悪で、とても美しいネクロマンサーの散り際を見た者は居ない。「ノーカっ……、ノーカンだからー……!」

 

 

 

 

 戦いは終わった。

 

 

 

 

 そして、その後。帰還した益荒男たちに衣装コンテストの開催が告げられた。慌てふためく面々。まとっているのは血糊と、もう少しグロテスクな何かに彩られた戦装束である。アンデッドのものと自身のそれとが半々だろうか。仕方がないのでそのまま、明らかに思いつきと分かる奇っ怪なポーズを決めるなど、涙ぐましい努力をする姿があった。

 

 

 

 

 ――完全に余談だが、筆者はこちらの淑女に投票させていただいた。褐色の肌に飴色の革鎧、そして白の衣。素晴らしいと思います。はい閑話休題――。

 

 

 

 

 投票が終わり結果発表。まずは三位、Great Penta氏! いかついプレートアーマーと、お洒落なフロッピーハット、覗く赤毛の絶妙なバランスが称賛された。いやはや、なんというナイスガイであろうか! やはり戦士にはフロッピーがよく似合う。

 

 

 

 

 続けて二位、Great Orca氏! こちらは頭部まで鉄の兜に覆われた、ほぼ完全なアーマード。ああ一体、どれほどのモンスターを屠ったのだろうか? 画面には表現されていないが、黒い真紅に染められたその装甲の威圧、まさしく益荒男の姿!

 

 

 

 

(実はプロパも凄いぞ!)

 

 

 

 

 然らば次は! 一位、Trustworthy Rocchi氏!! ……見よ、その姿、配布の装束よりも軽装である! 実に愉快、益荒男たちの目には彼の持つ真実の武装たる『筋肉』が、あまりにも深く、鋭く、刻まれていたわけだ。圧倒的な票数によって優勝と相成ったこと、これはもはや必然の至りであろう!! あっぱれ!!

 

 

 

 

 こうして、祭りは終わる。寂しげな雰囲気と、いつしかまとわり付く暑気。だがしかし、全ての益荒男と益荒女の心には、決して途切れることのない涼やかな風がそよいでいた。まるでそれは、雪原に倒れた彼女の高笑いの如く。これは決して怪談話などではなく、裸と裸の戦いと、友情の証なのであるから。

 

 

 

 

- Fin. -

 

 

 

 

 

 

 

...?

 

 

 

 

 

 

(主催者様)【夏の益荒男祭り】Cool Trinsic【詳細ルール】 / Bar 宵闇亭

 

 

※ 当ブログによる解説はフィクションです。UOの仕様、イベントのルール、実際の流れや雰囲気とは異なる点が多数ございます。あしからずご了承ください。また当記事への質問苦情エール応援などは、必ず当ブログまでお願いします。

 

※2 ネイラの声のイメージはマグロナちゃんです。

 

 

 

 

スポンサーサイト

  • 2018.08.06 Monday
  • 23:18
  • 0
    • -
    • -
    • -
    コメント
    コメントする








        

    PR

    calendar

    S M T W T F S
       1234
    567891011
    12131415161718
    19202122232425
    262728293031 
    << August 2018 >>

    野菜の書いた小説

    PN.葱川ひじき

    (外部リンク)

    エルフが地球に異世界転生する話を連載中です。

    なまこ動静

    selected entries

    categories

    archives

    recent comment

    recommend

    links

    profile

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM